〈昭和54年 教育時報7月号 掲載文より〉 この「好学近乎知」の扁額は、昭和三年本校創立二十六年目に完成の講堂に掲げられたもので、渋沢栄一翁の揮毫(きごう)になる。岡山とは何かと縁深い翁であるが、実業教育への支援を深められていた晩年、本校の教育方針にも共鳴され、「中庸」からこの五文字を、求めに応じて早速に書いて下さったという。八十九翁青淵という落款(らっかん)のあるこの額は、今は正面玄関に掲げられ、「学ぶ」ことを力強く語りかけている。
去年今年学を好むは知に近し 伸介 “笠商の宝”と私は思っている。不遜ながら、心境を一句にするとこのようになる。去年今年(こぞことし)は、昔も今も普遍という意味を強調するために、季語の意とは少し違う使い方をした。「商業教育」と「女子教育」の重要性に着目し、商業実務や女子を対象とした民間の教育事業発展に尽力した翁の言葉は重い。笠商生は学をさらに好むべし!
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