概要  研究の目的  学校概要  フロンティア継承  コーチング  授業改善  ●家庭学習・自学  地域連携  Project team  出張  文献  成果と課題

■ 家庭学習・自学自習の定着をめざして

   1.「アクティブ・テン」の取り組み 「学習意欲向上」と「学習習慣の確立」を目指して,「アクティブ・テン」と名付けた全校一斉の10分間小テストを年間5〜7回実施 した(就職希望者にも家庭学習に取り組ませたいという意図もあった)。問題集『高校生の就職試験・一般常識&SPI2』(柳本新 二著,一ツ橋書店,2008/11,\998円)を全員に購入させ,全学年共通の問題でクラスマッチ形式で行った。テストは6校時終了後の 10分間で実施し,担任が採点・入力した。成績上位クラスは全校集会で表彰した。   2.「自学自習」の推進  毎年1学期に卒業生を学校に招いて,「進学先・就職先の様子や,在学中からそこに至る努力について,全校生徒が話を聞く」と いう「卒業生の声を聞く会」を開いている。また3学期には,「3年生の代表者(4大・短大・専門・就職)に進路決定までの取り 組みを,1・2年生が聞く」という「進路体験発表会」を開いている。どちらの会も生徒の進路意識を高め,生徒一人ひとりが具体 的に行動を起こすきっかけとする重要な会になっている。  卒業生や3年生がそろって口にするのは「自学自習の力」で,「自学によって自分の進路を切り開いてきた。ぜひ早いうちから自 学に取り組んでほしい」と後輩たちに話してくれる。かつてはその話を聞いた日の放課後に,進路室前廊下に自学のテキストを求め る生徒がズラリと並んだそうだが,最近は「自学がいいとは分かるのだが,実際にやろうというところまでいかない」生徒が多く, 「生徒にどのように自学をスタートさせ,どう継続指導していくか」が課題となっている。現状では,実際に自学に取り組み始める のは,「2年生の終わりから3年生になってから」という生徒が多い。  学年全体で一斉に「自学のスタート」を促しても長続きしない。大学進学・公務員希望の生徒を中心に,担任とのつながりを軸に して自学を進めているのが現状である。   3.朝(0校時)学習の取り組み  検定試験の前になると,始業前の「朝(0校時)学習」が商業科・英語科教員を中心に自主的に行われている。対象は教員から指 名された生徒が中心だが,生徒も「検定に合格したい」と熱心に参加している。  H19年度の2年生では,検定試験が終わってからも「朝(0校時)学習」の取り組みを継続し,翌年の3年次でも学年団で自主的 に開いていた。ふだんの学習に遅れがちな生徒も「朝(0校時)学習」に喜んで参加している姿があった。生徒指導にも役立ってい た。  生徒の家庭学習の取り組みについて,業者模試の進路意識アンケート(Benesse 進研模試・基礎力診断テスト:毎年4月,「現在」 は10/26に自校実施)をグラフにしてみた。学年が上がるにつれて「自宅ではほとんど学習しない」割合が増え,「毎日机に向かい コツコツ学習する」という割合も増えている。その中で,H18年入学の3年次は「自宅ではほとんど学習しない」割合が減っている のが注目される。朝学習の習慣が自宅学習にもいい影響を与えたのではないかと考えられる。  ただ,この取り組みは教員には大きな負担となる。教員の時間外勤務状況は本校でもたいへんな状況にある(平均して月に約50時 間,80時間以上が4〜5人,100時間を超える者も数人)。それに加えて「朝(0校時)学習」のために時間を作るのはなかなかキビ シイものがある。   4. 自学(ドリル)も楽しく (1) 『古典文法暗唱歌CD』     古典文法(助動詞・敬語)を、替え歌に乗せたものをCDに収録。コンピュータで歌を再生しながら文法を楽しく覚える。  清水先生が本校の授業の中で,生徒とともに作り上げたものを編集した。  3年生の進学補習受講者に使ってもらった。 (2) 「ニンテンドーDSで漢検チャレンジ」  ◇趣旨:「読み・書き・そろばん(コンピュータ)」という基礎学力の一番目にくる「漢字」を,携帯ゲーム機「ニンテン      ドーDS」を使って楽しく学び,『自学自習』の一助とし,最終的には「漢字検定(準2級以上)合格」という成      果をあげることを目的とする。  ◇方法:(1)『ニンテンドーDSで漢検チャレンジャー』を10名募集する。その条件として,        @「ニンテンドーDS」の機械本体を持っていること。         学習ソフト※『200万人の漢検・とことん漢字脳』は,学校から貸与する。(貸与期間は単年度)        A毎日・最低20分,この学習をすること。        B今年度実施される「漢字検定」を受験すること。(受験料は自己負担)        C学習ソフトを破損・紛失した場合は弁償すること。      (2)応募者多数の場合は抽選で10名を決め,8月1日(水)の登校日に学習ソフトを渡す。      (3)8月以降,今年度中に実施される漢字検定を受ける。(受験級は実態に応じて)  ◇結果        ※夏休み以降の短期間の取り組みだったが,効果がありそうだ。 (3) 「会計数え歌」     「貸借対照表」(資産の部・負債の部)」と「損益計算書」の分類項目を,それぞれ「おもちゃのチャチャチャ」「箱根八里」 「鉄道唱歌」に乗せて覚えるというもの。歌っているうちに分類項目と全体の構造が自然に覚えられる。唄はコンピュータプロ  グラムで作成し,CDに入れた。今年の検定試験の学習で使ってみようと考えている。 (4) 「Quiz Creator」で「情報処理検定1級合格」をめざす      検定試験で覚えなければいけない「重要語句」を,クイズ形式に出力してくれるコンピュータプログラムがある。「正誤」 「三択」「正しい組み合わせ」など,答えるパターンも数種類指定できるようになっている。出力したものはインターネット  上のウェブサイトに載せることができる。携帯電話でもアクセスできるので,自宅学習にも使える可能性がある。 (5) 「重要語句暗記html」      理科で「元素記号」を覚えるのに,HTMLページにJavaScriptというプログラムを入れて,「元素名→元素記号」をラン  ダムに繰り返し表示させるものを作成した。授業の中では,10分程度の時間で2回ほど,ビンゴ形式で生徒に覚えさせた。  楽しく繰り返し学ぶことができる。生物の重要語句を覚えるのに,夏休み中の自習用としてファイルをフロッピーに入れて  配布することもやってみた。生徒には好評だった。 (6) 小論文指導に「e-Journal+」   実際に使ったわけではないのだが,時間と労力のかかる「小論文指導」に使えるソフトウェアだと感じた。        >初等中等教育ばかりでなく,高等教育においても,近年,学生の読解力の低下に懸念が示されてきている。   「eJournalPlus」は,批判的読解を高める学習活動を支援するためのソフトウェアである。Tablet PCによる   直感的な操作により,学習者が様々な文章を構造的に理解するとともに,批判的に読み解き,文章内容にし   っかりと立脚した形で,自分の意見を述べられるようにすることまでを目指す。このような学習活動を支援   するために,eJournalPlusは次のような機能を備えている。@電子的文書に対する下線引き・コメント機能,   A文章構造を整理するために,下線引き部分から直感的にコンセプトマップを描画する機能,Bコンセプトマ   ップをもとにして,レポートの作成を支援する機能等。本ソフトウェアは,Shared Sourceの形で公開されて   いる。このソフトウェアを活用して,学生は文章に書いてある事実・根拠をもとにして,自分の意見を生成   することができるようになるということが分かり,このソフトウェアが建設的な批判的読解を支援できること   が分かった。(http://www.utmeet.jp/projects/ejournalplus.htmlより)
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