■ 学力向上フロンティアハイスクール事業の継承と発展
本校は平成15年から17年までの3年間,文部科学省の指定を受けて「学力向上フロンティアハイスクール事業」に取り組んだ。 「My Revolution 今の自分で十分なのか」との基本テーマを掲げ,「知・徳・体のバランスのとれた意欲ある生徒の育成」をめ ざした。研究実践の内容としては, @目標を支える学力の育成:基礎基本の定着,自学自習システムの定着,マラソン学習会,資格取得の指導 等 A社会的な視野の育成:ポートフォリオ(1年次から),小論文指導,志望理由書の作成,ディベート,スピーチ 等 B職業観の育成:インターンシップ,「プロに聞く」,校外研修(学校訪問・会社訪問) 等 C起業家精神の育成:文化祭販売実習,トレーディングゲーム,笠ショップ,教員研修(起業家精神) D課題解決型学習の実践:総合的な楽種の時間,HR活動・学年委員会活動 E地域の教育力の活用:高大連携事業,社会人講師招聘事業,卒業生の声を聞く会,3年生進路体験発表会 等 などである。これらの活動と成果については,研究報告集『文部科学省指定・学力向上フロンティアハイスクール事業 総括研 究報告書 My Revolution 今の自分で十分なのか』(H18年3月)にまとめられている。 アクティブハイスクール事業に取り組む前提として,このフロンティアハイスクール事業の成果と課題について学習すること とした。 フロンティアハイスクール事業の成果を残すため,笠岡商業高校の自主活動を長年にわたり推進してこられた清水親義先生(H18 退職)の講演集『生徒の夢・教師の夢・学校の夢』を出版することができた。 1.職員研修会「《フロンティアハイスクール》の継承と発展」 (1)実施概要 日時:H20年12月12日(水) 14:00〜16:00 場所:吸江会館・多目的ホール 対象:全教職員 内容:@学習会「フロンティアの取り組みに学ぶ」 A学年団別研修「学年としてAHS事業に取り組むこと(3学期から来年度に向けて)」 (2)研修内容 ・「研究の趣旨と目的」について ・「具体的な取り組み(上記の@〜E)」について ・「成果-1 −数字に表れた成果 (H17年度)」について @公務員1次試験合格者数 13名, A就職1次試験の合格率 87% B全商英語検定1級合格者 11名, C全商検定3種目以上 →次ページの表を参照 ・「成果-2 −数字には表現できないもの」について @体育祭・文化祭翌日の自主的な清掃, Aインターンシップ発表会などの情報共有 B学びのコラボレート事業, C文化祭の新しい取り組み Dゆうかりタイムの充実(自分探し), E進路決定した生徒さえ巻き込んだ本気のセンター試験挑戦 F教員の意識変化「個からチームへ」 ・フロンティアに取り組んだ先生方のコメント 2.フロンティアの継承 (1笠商に「コーチング」の考え方が伝統的にあったことを確認できた。 ○生徒と教師がともに目標に向かって進んでいく姿 『笠岡商業高校には,支配と服従を基調とする指導スタイルというものはない。生徒の前方で待ちかまえて, 高いところから指図するといった指導スタイルは厳に戒められる。笠商の基調をなす指導スタイルは,次の ような図で示せば分かり易いと思われる。推進力となるのは,生徒と教師の間に形作られていく「笠商像」 である。生徒と教師の間にその「笠商像の共有」がなされるとき,生徒集団の中に実に大きなエネルギーが 生み出される。そして,そのエネルギーは,「共有された笠商像」さえ越えようとする』 (H17『学力向上フロンティアハイスクール・最終まとめ』より) ○コーチ契約 「自学自習」「小論文」の生徒の取り組みを支える「コーチ契約」 (2)教科指導にチームで取り組むことによる成果 (3)進路意識を育てた三本の柱 「借り物でない進路意識は,笠商の伝統・笠商文化の上に育っていく。そしてそこに育ったものは,笠商文化の中に融合し, 新たな文化を形成してゆく。 そうした進路意識を育てるために,生徒への指導として意図したものは,『自学自習』 『学年行事』『書く指導』の三つの柱である」 (H17『学力向上フロンティアハイスクール・最終まとめ』より) 3.職員研修会「笠岡商業高校の内外環境分析(SWOT分析)」 H20年12月17日(水) 13:30〜15:00 事前に「SWOT(スワット)分析(支援的強み・弱み,内部・外部)記入用紙」を全員に配布し,提出を求めた。それをまとめた 「SWOT分析表」を基に,職員研修会では6つのグループに分かれて,@すぐに改善できることとその方策,A中・長期的に改善 できることとその方策,の2つについて討議した。グループ発表で改善策を出し合った。後日「SWOT分析の報告」にまとめて, 配布した。改善案のうち「部活動の日」「教員休養室の設置」「ユーカリの移植」の3つは日を置かずに実施された。